災害緊急時透析情報カードの運用

当会では会員施設の透析患者に、平成23年より「災害緊急時透析情報カード」を作成し配布しています。発行の方法には変遷がありましたが、現在は下記の運用にしております。配布済みのカードは、今後も使用していただいて構いませんが、新たに発行したり(新患者)、修正したり(住所変更、施設変更、薬剤アレルギーの追加)、再発行(汚れ、紛失)する場合は、こちらの運用でお願いします。
各施設においては、このカードに記載された透析患者の住所や連絡先、避難場所を把握しておいてください。災害時に安否確認と透析可否の連絡をするための大切な情報となります。一方、患者にとっては自分が透析患者であることを避難場所などでアピールできるツールにもなると思います。しかし、このカードには透析施設の名前など最小限の情報しか記載してありません。刻々と変わる透析条件や薬剤までは、リアルタイムに更新していくことは困難だからです。さらに、混乱した災害時にこのカードを持参して活用されるのかも疑問です。ですから、もし自施設が被災し、他施設に透析を依頼するとき、被災した施設は、透析スタッフを透析受け入れ施設に派遣し、透析条件を直接伝えたり、透析実施を手伝ったりするようにお願いしたいと思います。自分のことをよく知っているスタッフがいれば、なじみのない透析室で透析を受ける患者の不安が和らぐと思います。
各施設におきましては趣旨を御理解いただき、カードの運用と共に、災害対策を推進していただきますようお願い申し上げます。

運用

  1. カードは台紙だけ、各施設に郵送でお届けします。必要枚数を、随時、事務局に連絡してください。連絡方法はメール、電話、FAXのいずれでもよいです。
  2. 必要項目(氏名、血液型、連絡先、透析施設、避難場所、その他連絡事項)を各施設で記入してから、自施設の透析患者に渡してください。
  3. カードを患者に渡すときには別紙の「透析を受けている方へ災害時緊急時透析情報カードについて」もお渡しし、使い方の説明をしてください。
  4. 連絡先はできるだけ2つ以上記入してください。
  5. その他の連絡事項としては、薬のアレルギーがある場合や肝炎ウイルス陽性などの情報を記入してください。
  6. 記入の手段は各施設にお任せします。下記の凡例では、手書きとなっていますが、テプラを貼ってもよいです。
  7. カードに記載した透析患者の連絡先と避難場所は、各施設が責任を持って把握しておくようにお願いします。
  8. カードは多めに注文していただいて構いません。余ったカードは、各施設で保管し、新たに発行したり(新患者)、修正したり(住所変更、施設変更、アレルギーの追加)、再発行(汚れ、紛失)する場合に利用してください。発行は迅速にお願いします。

凡例

表面
裏面

追記

市町村が指定する災害時に避難するところには、指定緊急避難場所と指定避難所の2つがあります。避難場所は災害の危険を避けるためにひとまず集まる場所(たとえば公園や校庭)であり、避難所は災害で避難した人が生活する場所(たとえば公民館や学校)になるところです。避難場所と避難所は定義が異なりますが、カードの運用では特に区別せず、「避難場所」と掲載しています。もし地域によって、避難場所と避難所が異なる場合には、それぞれを確認しておくことが望ましいです。
カードに記載する避難場所は、防災無線があるところが望ましいです。市町村に問い合わせし、調べてみてください。

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