透析患者への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の現状のご報告とワクチン接種および感染対策強化のお願い

透析患者への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の現状のご報告とワクチン接種および感染対策強化のお願い

長野県透析施設 施設長 各位  

                     長野県透析医会会長 鈴木都美雄
同副会長 洞和彦、同副会長 長沢正樹
  長野県透析研究会会長 上條祐司
同副会長 小林衛、同副会長 小口智雅

透析患者への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の現状のご報告と
ワクチン接種および感染対策強化のお願い

拝啓 2021年8月2日に日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会合同の新型コロナウイルス感染対策合同委員会より、「透析患者における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院調整の現状と透析施設へのお願い」という文書が発出されました。

添付致します文書を見て頂ければ詳細が記載されておりますが、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大している1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)では、一般の方の感染者増加によりコロナ病床が逼迫した結果、透析患者は無症状・軽症でも入院という原則が保てずに自施設での透析を余儀なくされるケースが目立つようになり、入院中患者が重症化しても転院が不可能な状況に陥っているようです。

長野県内では、新型コロナウイルス感染症新規発生者数は首都圏に比較すれば、まだ抑制されておりますが、確実に新規感染透析患者数が増えており、今後首都圏と同様の状況になることが大変危惧される状況です。長野県でも実際に新規感染透析患者の報告が増加傾向にあり、死亡例も散見されます。

先日、ご連絡致しましたように新型コロナ感染症対策の中でワクチンの接種が大変重要なものとなります。厚生労働省および長野県健康福祉部より各市町村に透析患者に対してワクチンの接種体制を優先的に確保するように通達が行っていますので、院内の透析患者に対するワクチン接種についてワクチン接種の加速や院内におけるワクチン接種体制の構築をぜひご検討頂き、各施設が存在する市町村の接種担当課とぜひご相談頂ければと思います。

また、重ね重ねのお願いで恐縮ですが、引き続き院内における感染対策の徹底や協力について、あらためて徹底のほどお願い申し上げます。最近の傾向としては、ワクチン接種により高齢者の感染症発生は抑制されていますが、活動性の高い50代未満の感染者と家庭内感染の割合が増加しているようです。
まだワクチン接種を行っていない透析患者に対する積極的な接種と、まだワクチン接種を行っていない患者に対する感染予防指導の徹底をお願い致します。また、ワクチン接種後の感染者もいますので、ワクチン接種済みの患者さんに対しましても、今まで通りマスク着用と手指衛生を中心とした感染症対策の継続をお願いいたします。

① 患者教育の徹底(常時マスク着用、手指衛生の徹底、毎日の体温測定と健康状態の把握、体調不良時の事前の電話連絡、他地域への移動・不要不急の外出や旅行は控える、集団での会食を控える、等)、
② 透析室での感染対策の徹底(患者間隔をあける、室内の換気を定期的に行う、環境表面の消毒を徹底する等)、
③ 医療従事者への注意喚起(体調管理と体調不良時の出勤停止、職場における3密の回避、他地域への移動・不要不急の外出や旅行は控える、集団での会食を控える、等)、
④ COVID19疑い患者への感染対策の徹底(空間的・時間的隔離の徹底)、
⑤ 個人防護具の着用(平時より穿刺や返血などの手技は、ディスポーザブルガウンまたはプラスチックエプロン、サージカルマスク、ゴーグルあるいはフェイスシールドを着用する、それ以外の場面でもサージカルマスクは常時着用し手指衛生を徹底する)と環境表面の清掃・消毒の徹底、

なお、長野県内においてCOVID-19陽性透析患者が発生した際には、新型コロナウイルス感染症対策合同委員会および長野県透析医会に症例報告をお願いしておりますので、引き続きご協力をお願い致します。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

敬 具

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