長野県の新型コロナ感染患者急増に伴う透析施設での感染対策徹底について
長野県の新型コロナ感染患者急増に伴う透析施設での感染対策徹底について
会員各位
日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会による新型コロナウイルス感染症対策合同委員会から、日本全国におけるCOVID19陽性透析患者が急増を受け、感染対策についての協力のお願い文書が令和3年1月8日付で配布されました。
全国的にも透析患者において、2020 年 12 月 25 日時点から 2021 年 1 月 7 日までの約 2 週間のみで、それまでの総数の 3 分の 1 に当たる方が新規発症しているのが現状です。首都圏や大阪府、愛知県では、透析患者は無症状・軽症でも入院という原則が保てなくなり、 入院が決まるまでの間は、自施設での透析をお願いする状況となっているようです。更に入院中の患者が重症化した場合でも、転院先を見つけることが非常に困難となっている地域もあり、透析領域では医療崩壊と呼べる状況に陥っていると記載されております。
長野県においても、長野県透析医会・長野県透析研究会で収集した情報では1月9日の段階において10名弱のCOVID陽性透析患者が確認されておりますが、そのほとんどが最近2週間以内の発症になります。このまま新規発症が増加すれば、長野県においても、首都圏同様にCOVID19陽性透析患者の治療方針の原則が保てなくなるような状況に近日中に追い込まれる可能性があります。
今後、COIVD19陽性透析患者の受け入れをお願いしていない施設にも受け入れをお願いする事態も出てくるかもしれません。また、新たな患者の受け入れ施設が決まるまでの間、維持透析施設においてCOIVD19陽性透析患者の透析医療を数回施行することをお願いする事態も出てくるかもしれません。
各透析施設におかれましては、可能な限りそのような逼迫した状況を回避すべく、引き続き感染対策の徹底をお願い致します。
首都圏では退院可能となった患者さんの速やかな転院が滞った結果、新規患者の受け入れが出来なくなる、といった事態も生じているようです。退院可能と判断された患者が原因となった維持透析施設でのCOVID19透析患者発症の事例はありませんので、退院可能と判断された患者については速やかな受け入れをよろしくお願い申し上げます。
重ね重ねのお願いで恐縮ですが、長野県透析施設の皆様におかれましては、この文書に記載されている感染対策の徹底や協力について、何卒よろしくお願い申し上げます。
- 患者教育の徹底(常時マスク着用、手指衛生の徹底、毎日の体温測定と健康状態の把握、体調不良時の事前の電話連絡、他地域への移動・不要不急の外出や旅行は控える、集団での会食を控える、等)、
- 透析室での感染対策の徹底(患者間隔をあける、室内の換気を定期的に行う、環境表面の消毒を徹底する等)、
- 医療従事者への注意喚起(体調管理と体調不良時の出勤停止、職場における3密の回避、他地域への移動・不要不急の外出や旅行は控える、集団での会食を控える、等)、
- COVID19疑い患者への感染対策の徹底(空間的・時間的隔離の徹底)、
- 個人防護具の着用(平時より穿刺や返血などの手技は、ディスポーザブルガウンまたはプラスチックエプロン、サージカルマスク、ゴーグルあるいはフェイスシールドを着用する、それ以外の場面でもサージカルマスクは常時着用し手指衛生を徹底する)と環境表面の清掃・消毒の徹底、
これらの対策の基本を繰り返し患者およびスタッフにご指導頂くようお願い申し上げます。
なお、今後、外来維持透析施設で、疑い症例に対して透析を行わなければならない場合が増加してくることが予想されます。
この際の感染対策においては、日本透析医会より以下の様々な手引きが公開されておりますので、 ご参照ください。
引用URL:(令和3 年1 月8 日に確認)
1. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4.1 版
https://www.mhlw.go.jp/content/000712473.pdf
2. 新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について(第4 報改訂版)
~まん延期における透析施設での具体的な感染対策~
http://www.touseki-ikai.or.jp/htm/03_info/doc/20200402_corona_virus_15.pdf
3. 新型コロナウイルス感染症に対する透析施設での対応について(第5 報)
http://www.touseki-ikai.or.jp/htm/03_info/doc/20201008_action_for_covid19_v5.pdf
4. COVID-19 新規感染者数急増に伴う透析施設での感染対策の徹底について